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上への生長を拒むような姿をみせる
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マツ(アカマツ、クロマツ)は岩手県内どこでも見かけるおなじみの樹木ですが、幾つかの変り種があって、天然記念物に指定されているものがあります。枝が枝垂れる「シダレアカマツ」については、すでに「玉山のシダレアカマツ」のページでとりあげました。
今回は上に伸びようとしないで、低く止まり、傘状に枝が広がるマツを訪ねてみました。一関市川崎町にある「薄衣(うすぎぬ)の笠マツ」です。また逆に、箒状に、上へ上へと伸びるマツもあり、それらも訪ねてみました。
マツにもいろいろ変種があるものですね。 |
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(岩手県指定の天然記念物)
所在地 一関市川崎町薄衣字柏木 |
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この地で見られる大小10本程のマツは、まるで上に伸びるのを拒むように、ずんぐりした、
いびつな形をしています。離れてみると傘のような樹形をしています。老木は幹が節くれだ
って、見る人を圧するものがあります。
このようなマツもあるんですねえ。 |
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(上の写真はクリックすると拡大できます) |
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老木に比べると見劣りしますが、笠松の姿は一人前です |
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岩手県指定天然記念物(植物)
薄衣の笠マツ
昭和51年3月23日指定
この笠マツはアカマツの一種で、樹姿が典型的な笠(傘)形を呈しており、その樹形、樹勢ともに
良好なうえ、大きさ等すべてにおいて、本県随一のものである。
指定区域内には三株のほか、七株の幼松が自生しているが、いずれも同種と目され、これらも含
めて県指定されたものである。
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これらの樹齢は計測結果をもとにして、1号木の根元径180cmが毎年0.3cm肥大し、2号木(根元
径93cm)、3号木(根元径90cm)がそれぞれ年0.15cm肥大したものと見なせば、三株とも約600年と
推定される。
(参考事項)
この笠マツは旧法、史跡名勝天然記念物法(大正8年法律第44号)に基づき、大正9年に岩手県令
を以って天然記念物に指定された経緯がある。
一方地元では、樹齢千数百年にして、その昔伊達藩時代、伊達領内名木として書き上げられ当時
藩公が当地往還の際、これを嘆賞し笠松を青葉城に移植するよう命じた。しかし移殖が容易でない
ことから、家老職の才知で、「いかに天下に比類ない名木といえども、路傍下の松故御館に移殖する
とは如何か」との進言により、移殖をとりやめたことから、「見越(みこし)の松」とも称されたと
伝えられている。
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昭和54年3月
川崎村教育委員会
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(軽米町指定の天然記念物)
所在地 軽米町大字軽米23-194-1 |
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九戸村・長興寺の千本松に比べると枝の発生数は少ないものの、枝が上へと伸びて、ウツクシ
マツ形の樹形を見せています。周りに樹木がないためよく目立ちます。枯れ枝が多いのが気にな
ります。軽米町発行の資料によると、天然記念物に指定時点(昭和55年)で樹齢は260年と推定
されています。 |
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案内板によると、目通り周4.00m、根元周5.23m、樹高17.00m、樹齢推定260年(平成10年現在)と
なっています。 |
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(九戸村指定の天然記念物)
所在地 九戸村長興寺 |
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別名ほうき松とも呼ばれ、枝がすべて上向きで、美しいほうき状の姿を見せています。
稀にみるこの名木、1本の幹から別れる枝の数は数えようがありません。根元幹の周
囲2m、高さ26m、枝の広さは11m余りに及ぶとされています。樹齢は不明ですが、
200〜300年と推定されています。 |
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「平松のウツクシマツの自生地」(国指定の天然記念物)について
ウツクシマツとは、滋賀県湖南市平松にある美松山(標高226m)の一局地に
自生するアカマツの変種。山の南西斜面一帯に、約200本の美松が群生してい
ます。主幹がなく、1本の根から枝が地表近くで放射状に分かれ、樹形は傘を
逆さにしたような形をしています。このような形のマツはウツクシマツ形と呼ばれ
ていますが、このページで掲載した「山田の千本マツ」と「長興寺の千本松」も、
典型的なウツクシマツ形をしています。
ウツクシマツの姿(参考資料……ホームページ「巨樹と花のページ」より) |
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