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東北地方屈指の杉並木
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杉並木といえば,、国の特別天然記念物に指定されている栃木
県今市市の「日光の杉並木」や、山形県庄内の「羽黒山杉並木」
が有名です。いずれもその荘厳な雰囲気には心奪われるものが
あります。
これらの杉並木は別格として、岩手県内にも天然記念物に指定
されている杉並木があります。久慈市が指定している「慈光寺の
杉並木」、一関市が指定する「宗松寺の杉並木」、そして金ヶ崎町
が指定する「永徳寺境内杉並木」がそれです。
いずれも寺院の参道や境内にありますが、スギやイチョウ、カツ
ラなどは長寿なことから、それらを境内に植栽することが多いよう
です。特にスギは常緑で、真っ直ぐ天に向って生長することもあっ
て、寺院の参道並木には最適とされてきたのでしょう。
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(久慈市指定の天然記念物)
所在地 久慈市大川目22-62 慈光寺 |
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久慈市大川目地区には、かつてこの地方を治めた久慈氏の居城だった久慈城の跡がありますが、
その城跡近くに慈光寺があります。久慈氏の菩提寺としてその保護を受けましが、九戸城主九戸政
実と三戸城主南部信直との争乱の際に、久慈氏は政実方の武将として参戦しその戦に敗れたことか
ら、この寺も一時この地を追われたと本堂前の解説版に出ています。縁起書が残っておらず不明な
ことが多いようですが、境内は歴史の古い由緒ある雰囲気を漂わせています。
このような立派な杉並木の参道は岩手県内では珍しく、ぜひ大切に管理してほしいものです。
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(案内板より) 慈光寺の杉並木
慈光寺の杉並木は、参道入口から山門にかけて、直径2mを超すスギの大木がおおよそ
300mもの長さにおよび、東北地方でも屈指の杉並木であり、貴重な文化財です。
並木は参道両側の74本の杉の木から成り、並木の保存状態も良好で、最も太い杉で胸
高4.25mを測ります。現在の並木の間にある切り株は戦争中に軍用船に使用するためや、
昭和30年代に寺の屋根葺き替えに使用するために伐採されたものです。
慈光寺は明治の初めに廃仏毀釈のため廃寺となり、当時800戸を擁した檀徒を失いまし
たが、明治13年(1880年)檀信徒有志180名の手により再建され、今日に至っています。
この並木は天保年間(1830年〜1843年)と慈光寺再建後の2度にわたり植栽されたもの
と推定されています。 指定年月日 平成9年9月1日
平成10年3月31日 久慈市教育委員会 |
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参道の石段を上って本堂前に出ると、節くれだった太い幹のカエデが目に入ります。
案内板が出ており、久慈市が天然記念物に指定する「傘楓」です。これについては
別のページで掲載予定です。 |
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(一関市指定の天然記念物)
所在地 一関市東山町松川字裏ノ上67 |
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一関市東山町松川にある宗松寺は山の中にあり、山寺の感があります。山道の参道で
見られる老スギ群は久慈市・慈光寺のような整然とした雰囲気はありませんが、修験、
霊場といった雰囲気があり、一見に値します。 |
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(金ヶ崎町指定の天然記念物)
所在地 金ヶ崎町永栄門前1 |
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ここの杉並木は参道ではなく、境内の東側を画するもので、一列に12本のスギが
並んでいます。そのうち11本が天然記念物に指定されています。
永徳寺はかつて栄華を極めたようですが、二度の大火もあり、いまはその栄華の
あともありません。ここで見る老スギにその面影をしのぶのみです。 |
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解説によると、天然記念物に指定されている最大のものは樹高25m、胸高の周囲6.03m、
直径1.90m、樹齢580年(天然記念物に指定された1973年時点)とされています。その樹齢
から推定すると、寺が開かれたのは延文元年(1356年)といいますから、寺の創建の頃に
植えられたということになります。 |
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(遠野市指定の天然記念物)
所在地 遠野市附馬牛町片岸 |
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岩手県内の天然記念物一覧表をみますと、「松並木」として天然記念物に指定
されてところがあります。遠野市が指定する「附馬牛小学校の松並木」です。訪れ
てみますと…… |
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大きなマツの木の並木を想像していましたが、ご覧の通り、小学校校庭の土手に植栽
された10本程のマツの列でした。樹齢は70年程で、これが太くなっていくと、さらに貫禄
が出てくるでしょう。
このマツはタギョウショウ(多行松)というのだそうですが、アカマツの園芸変種の一つ
で、いずれも根元およびその付近からから数本の幹が放射状に伸びる形をしております。
マツとしては珍しく、丸みのある傘形の樹冠をつくっています。 |
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